中村 匡秀 (なかむら まさひで)神戸大学数理・データサイエンスセンター 副センター長・教授 |
「超スマート社会」とは,現実世界とサイバー空間が高度に融合し,価値あるモノやサービスを必要な人に必要なだけ提供する我が国の社会の未来像です.超スマート社会では,IoT やビッグデータ,クラウド,人工知能,ロボット等,様々なシステムが横断的に連携・協調して,価値を生み出すとされています.
我々の研究グループでは,これまでソフトウェア工学,特に,サービス指向アーキテクチャ (SOA) の研究を行ってきました.SOAは様々なモノやシステムの機能をすべてサービスとして捉え,それらを連携して,さらなるサービスを実現するという考え方です.SOAは,Webサービスやサービスコンピューティング,クラウドコンピューティングで開花し,いまや異種分散システムを連携・統合する技術としてなくてはならないものになっています.
我々は,SOAやソフトウェア工学の理論を応用して,超スマート社会において実際に役に立つシステムやサービスを実装し,研究成果を社会に還元すべく活動を行っています.最近特に興味のあるキーワードは,以下の通りです.詳細は,Researchのページをご覧ください.
MPAgent: 個人向けバーチャルエージェント生成サービス
Ambulance Simulator: 救急車動態可視化・シミュレーション・アプリケーション
Virtual Care Giver: 在宅高齢者ケアのための仮想エージェント
スマートシティ環境センシングのための自律センサボックス
Tales of Familiar: IoTを活用した個人向け話題提供サービス
CS27-HNS: サービス指向型ホームネットワークシステム
教育面においては,文部科学省の教育プログラムenPiTの神戸大学の担当教員として,実践的なIT人材育成を行っています.enPiTでは,様々な大学で選抜された学生が一堂に会して協働し,問題解決型学習 (PBL - Problem-based Learning)を行います.
神戸大学が参加するプログラムでは,特に,AI,ビッグデータ,クラウド技術を用いて,社会の具体的な課題を解決できる人材の育成を目指しています.現在,大学院生向けのプログラムCloud-Spiralが実施されており,2017年度からは,学部生向けのAiBiC-Spiral もスタートします.詳細は,Educationのページをご覧ください.