Windowsにデフォルトでバンドルされている,すっかりお馴染みのMicrosoft Messenger ですが,最新バージョンのものはSIPがしゃべれるようで,これをSIPクライアントとして用いれば電話が出来ます.
そもそもMS Messenger は,Microsoft が提供するサーバに.NET Passport とよばれるものを用いてサインイン(実際にはRegistration)し,そのサーバを介してチャットやインスタントメッセージをするものです.音声チャットやビデオ送信もそのサーバ経由で当たり前のようにできます.
しかし,ここでは,自前で作ったSIPサーバ経由で,内線電話サービス(Messenger的には音声チャット)を実現してみます.
とりあえず,自前のサーバを使うには,MS-Messenger を最新バージョン(4.7以上)にする必要があります.適当に,Windows Updatesなどでバージョンアップしてください.
当然,PCにはサウンドカードが必要.マイク,スピーカーも接続してください.
MS-Messenger を起動し,ツール→オーディオチューニングウィザード でPCのマイク,スピーカーの音量をチューニングします.
事前に,SIPサーバ管理者から自分用のID(ContactUsername)を作成・登録してもらいましょう.場合によってはパスワードも設定してもらいます.
1. ツール→オプション→アカウント をクリックし,アカウントタブを開く.
2. 「最初にサインインするアカウント:」で「リアルタイム通信サービス」を選択し,「詳細設定」ボタンを押す.
3. 次に現れるウィンドウで,「手動設定」を選び,自前のSIPサーバアドレス,および,プロトコルを選ぶ.下の例では,サーバ=vclserv,プロトコル=UDPとしている.最後にOKを押す.
4. 先ほどの画面に戻り「サインイン名」のところに,ContactUsername@ローカルマシン名(またはIP)を入力する.下は,ContactUsername=1010 , ローカルマシン=192.168.168.2の例.
5. OKを押して,一旦Messenger を終了,再起動する.
SIPサーバへの登録がうまくいくと,サインインが完了し,以下のような画面が現れます.
ここでいう内線電話サービスはMessenger では「音声チャット」にあたります.
操作→音声チャットをクリックし,出てくるウィンドウで「その他」を選択.
「電子メールアドレス」に相手先のアドレス ContactUsername@SIPServer を入れます.また,「サービス」はリアルタイム通信サービスを選びます.
相手先がMS-Messenger を立ち上げていれば,次のようになります.
相手が応答すると,会話モードになり音声チャットが出来ます.
逆に電話がかかってきた場合は,以下のような表示になります.「承諾」か「辞退」を選択します.
NATやファイヤーウォールがある場合,シグナリング(SIP)は届いても,音声(RTP)が届かない問題点が見られた.
もう少し,設定をいじってみる必要があるようだ.