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5.7 数式の文字サイズ

数式モードでは,LATEXは文字の配置位置に応じて 文字サイズを選択します. 例えば,添字は小さな文字で出力されます. 数式の一部をローマン体で出力したい場合でも, \textrmコマンドは使用しないで下さい. \textrmコマンドを使用すると 一時的にテキストモードに移行するため, 正しい文字サイズを選択することができなくなるためです. 文字サイズを正しく変更できるようにするには, \mathrmを使用して下さい. しかし,\mathrmコマンドは短い文字列にしか 対応していないことにも注意しておいて下さい. また,依然としてスペースは無視され, アクセント文字も使用できません5.6


\begin{example}
\begin{equation}
2^{\textrm{nd}} \quad
2^{\mathrm{nd}}
\end{equation}\end{example}

LATEXは自動で文字サイズを決定して出力しますが, それでも正しい文字サイズを伝えなければならないことも あるでしょう. 数式モードでは,以下の四つのコマンドで文字サイズを 指定することができます.

\displaystyle ( $\displaystyle 123$), \textstyle ( $\textstyle 123$), \scriptstyle ( $\scriptstyle 123$),
[1] \scriptscriptstyle ( $\scriptscriptstyle 123$)

これらのコマンドは,別行立て数式における 積分や総和記号の添字の出力形式にも影響を与えます.


\begin{example}
\begin{displaymath}
\mathop{\mathrm{corr}}(X,Y)=
\frac{\displ...
...
\sum_{i=1}^n(y_i-\overline y)^2
\biggr]^{1/2}}
\end{displaymath}\end{example}

上の例は,通常の\left[ \right]が出力する括弧よりも 大きなサイズの括弧を必要とする場合の 指定方法の一例でもあります.


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Hiroyuki Ohsaki (oosaki@ics.es.osaka-u.ac.jp)