情報処理I 講義メモ(第9回)
2004年前期水曜1,2限
教育用の端末では,LinuxとWindows(VMWare)の両方のシステムを
同時に利用できる.この仕組みを探ってみよう.
最初にVMWareを起動し,ログインしておこう.
- 練習に使うファイルの準備
まずLinuxでKwriteを起動して,日本語でテキストファイルを作成し,
ホームディレクトリにlinux.txt という名前で保存する.
次にWindowsでメモ帳を起動して,日本語でテキストファイルを作成
し,マイドキュメントにwin.txtという名前で保存する.
- LinuxからみたWindows
Linux上の各自のホームディレクトリを開いてみよう.
ホームディレクトリの中にWindowsディレクトリが存在する.
Windowsディレクトリの中にProfileディレクトリがあり,
さらにその中にいくつかのディレクトリが存在する.
これらのディレクトリの中のMy Documentsディレクトリ
が,Windows上のホームディレクトリである
マイ ドキュメントである.
注) Windows/ProfileXPディレクトリにも My Documents ディ
レクトリがあるが,こちらは使わないこと.また,
Profileディレクトリにあるそれ以外のディレクトリ
はさわらないように注意すること.
- ファイルの移動(Linux上での操作)
Linux上で作成したファイルlinux.txtをWindows側に移動
(またはコピー)させてみよう.
逆の移動もやってみよう.
- WindowsからみたLinux
Windows上で,マイ コンピュータディレクトリを開いてみよう.
ここは,Windows上でのルートディレクトリに相当する.
ここに表示されている,'home1'のa99z999$ (Z:)のよ
うな名前のアイコン(以後,Z:ドライブと呼ぶ)をダブルクリックすると,
そこは,Linux側のホームディレクトリが見えている.
- ファイルの移動(Windows上での操作)
Windows上で作成したファイルをLinux側に移動させてみよう.
逆の移動もやってみよう.
- ファイルの形式
移動したファイルの中身はどうなっているだろうか?
試しに,Windows でlinux.txtを開いてみる.
または,Linuxでwin.txtを開いてみる.このように表示され
る理由は,漢字コードの違いと,改行の表し方の違いがあるから
である.
- 漢字コードの違い
Linux(および多くのUNIXシステム)では,通常,EUC(Extended UNIX
Code)と呼ばれる漢字コードが用いられている.
一方,WindowやMacintoshのシステムでは,Shift-JISと呼ばれる
漢字コードが用いられている.
(この他,電子メールをやり取りする際には,JISコードが用
いられている.)
- 改行の表し方の違い
また,改行の表し方もシステムによって異なっている.
Windowsシステムでは Return(0D)+NewLine(0A) の2文字で
表されており,LinuxなどのUNIXシステムでは NewLine(0A)
のみ改行を意味している.また,Macintoshでは,Return(0D)
のみで改行を意味している.
漢字コードと改行の違いは,特にテキストファイル(.txt)や
HTMLファイル(.html)を両システムでやりとりする際
に,注意が必要.
- Linux上での漢字コード変換(nkfコマンド)
rxvt teminal(パネルの左から8つ目のアイコンをクリック)
上で,nkf コマンドを用いることで任意の文字コードに変換
できる. 詳しくは,man nkfを参照
Windows上での文書ファイルには,.txtという拡張子をつけて
おいた方が扱いやすい.
#↓linux.txtをWindows形式(shift jis+0D0A)に変換しlinux-conv.txtにしまう.
$ nkf --windows linux.txt > linux-conv.txt
#↓win.txt ファイルをUNIX形式(EUC+0A)に変換し win-conv.txtにしまう.
$ nkf --unix win.txt > win-conv.txt
- Windows上での漢字コード変換(MojiCnvコマンド)
- 「スタート」→「プログラム(P)」→「MojiCnv」→「MojiCnv」
で,MojiCnvを起動.
- 「ファイル(F)」→「ファイルを開く(O)」をクリック.
- 「ファイルを開く」パネルが表示されるので,
変換したいファイルを指定する.
- MojiCnv ウィンドウ内にファイルの内容が表示される.
これでよければ,
「ファイル(F)」→「上書き保存(A)」をクリックし,新たな
ファイル名を指定して保存する.
このとき,ファイル名の指定欄の下の「ファイルの種類(T)」欄
で,どの文字コードに変換するかを指定できる.なお,改行コー
ドの追加・削除は行えない.
- 表計算
表計算ソフトは,表形式のデータの管理や計算,分析を行うための
アプリケーションプログラムである.
表計算ソフトは,住所録,家計簿,レポートの図表の作成などに便利である.
その他,データを一部修正したことによる再計算,
データの並べ替え, 統計分析, グラフ作成などが簡単に行える.
- 表計算ソフト(Excel)の基本
Excel は表計算ソフトの一つである.Windows 上で動くソフトウェアであるので,
Windows が起動していない場合は,まず,Windows(VMware)を起動すること.
- Excel の起動
「スタート」-「プログラム」-「Microsoft Excel」で
ファイルの新規作成が可能となる
- Excel の終了
Excelメニューバーの「ファイル」-「終了」
- セル
表計算で扱う個々のデータや数式を入力する場所のことをセル (cell)
という.計算や統計処理,グラフ作成の際の最小単位となる.
表計算ソフトでは,最低このセルを二次元,すなわち表の形式に配置している.
Excelでは,行×列の二次元配置に加えて,シートとして複数シートを扱うことで,
三次元配置での計算が可能である.(ただし,三次元での計算を使いこなすのは,
簡単ではない.)また,Excelでは,シートの集合をブックと呼んでいる.
- 列 -- A, B, C, D, E, ...
- 行 -- 1, 2, 3, 4, 5, ...
- シート -- sheet1, sheet2, ..
- セルに入力できるもの(データ形式)
- 数値
数字で入力したものは,自動的に「数値」扱いとなる.
数値扱いのデータは,計算式の対象になりうる.
例,152 -32.578 15,012
- 文字列
数値と解釈できない文字を含んで入力すれば,「文字列」扱いとなる.
例,OCU, 2004年卒業, 大阪
- 数式
で始める入力は,「数式」とみなされる.
の右辺にはセル同士の演算や,関数を置く.
例,2+3, A2+B5, SUM(A2..A7)
入力方法や Excel での設定によっては,上記の原則ではない入力でも
「数値」扱いになることがある.これは,Excelの勝手なおせっかいで
データ形式を変換されてしまった結果である.
なお,例外的な入力方法として,152というデータを「数値」
としてではなく「文字列」として入力したいときには,'152
のように,数字の前に '(アポストロフィー)をつける.
- 便利な関数
画面上部のアイコンをクリックすると,
合計,平均,データの個数,最大,最小などを計算する
関数を呼び出せる.関数を適用するデータセルを選択して
Enterを押す.
- 罫線,文字色,セル色
画面上部のアイコンを使う.
- 練習
(練習1) 以下の表を B3〜 F6 のセルに入力してみよ.
B C D E F G
+------+------+------+------+------+------+
3: | | 国語 | 算数 | 理科 | 合計 | 平均 |
+------+------+------+------+------+------+
4: | 太郎 | 60 | 80 | 70 | | |
+------+------+------+------+------+------+
5: | 二郎 | 70 | 85 | 65 | | |
+------+------+------+------+------+------+
6: | 花子 | 80 | 90 | 60 | | |
+------+------+------+------+------+------+
(練習2) F4セルに合計を求める式を入力せよ.
=C4+D4+E4 または =SUM(C4..E4)
(練習3) F4セルの内容(式)をF5,F6セルにコピーせよ.
(練習4) G列(G4..G6)に平均を求めよ.
平均を求める関数AVERAGE()を用いよ.
(練習5) 7行目に各科目毎の平均を求めよ.
C7に国語の平均を求め,その式をD7..F7にコピーすれば良い.
- グラフの作成
Excelは,表中のデータを簡単な操作でグラフ化する機能を持っている.
以下,具体的な例(上記の練習問題)に基づいて,グラフを作成してみる.
- B3..E6のセル(長方形領域)を(マウスのドラッグにより)選択する
- 「挿入」-「グラフ(H)...」メニューをクリックする
- グラフウィザードパネルが表示されるので,まず,グラフの種類
を選択し(ここでは,縦棒グラフの「3D-縦棒グラフ」を選択),
「次へ」ボタンをクリック.
- 必要があれば「グラフデータの範囲」や「グラフオプション」を
適切に指定し,グラフウィザードを完了すると,グラフが表示される.
(練習6) 3D-縦棒グラフ以外のグラフを描いてみよ.
(練習7) 得られたグラフおよび表をWordの文書に張り付けてみよ.
(ヒント: コピーアンドペースト)
今回は特に提出物はありません.ただし,
- Linux とWindows のファイルの移動,コピー方法を復習しておく
こと.また,テキストファイルの漢字変換方法を実際にやってみるこ
と.
- Excelの基本操作を復習し,ある程度習熟しておくこと.
- ヘルプを利用して以下の機能の使い方を調べてみること.
自分で例題を作ってこれらの機能を試してみよ.
ただし,印刷は,実際に紙に印刷はせず,印刷プレビューでとどめること.
関数,データの並べ替え,グラフ,印刷
この文書はLaTeX2HTML 翻訳プログラム Version 99.2beta6 (1.42)
Copyright © 1993, 1994, 1995, 1996,
Nikos Drakos,
Computer Based Learning Unit, University of Leeds,
Copyright © 1997, 1998, 1999,
Ross Moore,
Mathematics Department, Macquarie University, Sydney.
を日本語化したもの(
99.2beta6 + JA patch 4.0 (1.42) 版)
Copyright © 1998, 1999, 2000
Kenshi Muto,
Debian Project.
に、さらにWin32用パッチ(99.2beta6 + JA patch 4.0 + Win32 patch 1.32 (1.42) 版)
Copyright © 2000,
ABE, Osamu, Hokkaido University of Education
を用いて生成されました。
コマンド行は以下の通りでした。:
latex2html -local_icons -split 3 memo-09.tex.
翻訳は masa-n によって 平成16年5月10日 に実行されました。
masa-n
平成16年5月10日