使用しているコンピュータシステムで
すでに適切な設定がしてあれば,
次のコマンドを\documentclassコマンドの後で
使用することによって,babelパッケージを
使用することができます.
システムで使用できるlanguageは, システムのローカルガイドにも書かれているはずです. babelパッケージは,指定した言語に対する 適切なハイフネーション規則を自動的に適用します. 使用しているLATEXが, 指定した言語のハイフネーション規則に対応していなくても, babelパッケージは組版された文書の見栄えが 極端に悪くなるようなハイフネーションは 避けてくれるでしょう.
言語によっては,
簡単に特殊文字の入力を行うことができるように
babelパッケージが新しいコマンドを定義しています.
例えば,ドイツ語は
多くのウムラウト(äöü)使用するので,
babelパッケージでは\"oの
代わりに"oと入力することでöを
出力することができるようになっています.
直接キーボードから特殊文字を入力することができる コンピュータシステムもあります. LATEXは,そのように入力された文字も扱うことができます. 1994年12月のLATEX2eの公開から, いくつかの入力エンコーディングに対するサポートが LATEX2eの基本配布に含まれています. inputencパッケージを調べてみて下さい. このパッケージを使用するときには, 異なるエンコーディングを使用するため, 入力ファイルが他の人のコンピュータ上には 表示できない可能性があることを考えておくべきです. 例えば,PC上ではドイツ語のウムラウト äのコードは132ですが, ISO-LATIN 1を使用しているUnixシステムでは228となってます. そのため,これらの機能は注意して使わなければなりません.
フォントのエンコーディングはまた別の問題になります. フォントのエンコーディングは,TEXのフォントにおける それぞれの文字の位置を定義したものです. 元々のComputer Modern TEXフォントには, 古い7ビットのアスキー文字セットである128文字しか 含まれていません. そこで,アクセント文字が必要になると, TEXはアクセントなしの通常の文字と アクセント記号とを組み合わせることによって アクセント文字を作り出します. 見た目には問題ないのですが,この手法では, アクセント文字を含んだ単語のハイフネーションが 自動で行えなくなっています.
ただ,最新のTEXはECフォントを含んでいます. これらのフォントはComputer Modernフォントに似ていますが, ヨーロッパの言語で使われるほとんどのアクセント文字を 表す特殊文字を含んでいます. これらのフォントを使えば,英語以外の言語で作成される文書の ハイフネーションを行うことができます. ECフォントは,以下のように文書のプリアンブルに fontencパッケージを読み込むことによって 使用することができます.