これに対して、文書の構造や書式指定をコマンドとして文書中に記述しておき、 文書を一括処理(コンパイル)して印刷結果を得る方式もある。 この方式では、文章の論理構造や図・表の参照関係などをコマンドとして 保持しているので、文章の節や図・表の順番の入れ替え、追加・削除をしても、 コンパイルし直すだけで正しく番号を振ってくれるなど、長い文書になれば なるほど威力を発揮する。
LATEXとは、後者の方式を採用した文書整形ソフトウエアである。
目標: LATEXでの文書作成を通じて、決められたルールに従って きちんと記述することの経験を積むこと。 これは一種のプログラミン グであり、コンピュータの本質の理解に役立つものである。
ソースファイルは必ず、.tex という拡張子をつけてテキスト形式 で保存する。 ソースファイルはテキスト形式のファイルであるので、 テキスト形式ファイルを編集できるエディタであればどれを使ってもよい (Kwrite, etc.)。 ここでは、あらかじめsample2e.texを用意 (sample2e.texとfig1.epsが、/ex/lecture/ip1/latex にあるので、 これらを ~/texにコピーする)。
ソースファイルをスタイルファイルと照らし合わせながら、視覚的構造へ変換する。
スタイルファイル : 書式に関する情報が登録されているファイル。 よく用いられるスタイルファイルはあらかじめ登録されているので、自分で用意 する必要はない。 自分でオリジナルのスタイルファイルを作成することも可能(当授業では取り扱 わない)。
コンパイルが正常に終了すると、sample2e.texと同じディレクトリに、 sample2e.aux、sample2e.dvi、 sample2e.logの3つのファイルができる。
.aux 補助ファイル : ページ番号や図表番号を割り振るための情報を記録
.log ログファイル : コンパイルの状況を記録
.dvi 中間ファイル : 最終的な出力の手前の状態
dviファイルをpsファイルに変換し、psファイルを印刷。
.ps PostScriptファイル : PostScript言語で印刷ページをレイアウトする命 令が埋め込まれたファイル。PS対応プリンタで印刷できる。
ソースファイル(.tex)から始まって、印刷するまでにいろいろなファイル(.aux, .log, .dvi, .ps)が生成されるが、 ソースファイル以外は印刷後に削除してしまっても問題はない。
サンプル:sample2e.tex にはわざと間違いを入れており、
l.28 \begin{abstruct}
と表示されている。これは、28行目
の \begin{abstruct}
の部分にエラーがあるというこ
とである。もう少し前をみると、! LaTeX Error:
Environment abstruct undefined.
という記述がある。この例では、「abstruct という
環境が定義されていない」というエラーを表している
(正解はabstract)。
ただし、常に表示されている文字列にエラーが 含まれているわけではなく、その直前、あるいは関連した 部分にエラーがある場合もある。
\begin{abstruct}
を\begin{abstract}
コンパイルエラーがなくなるまで繰り返す。 なお、Warningメッセージは、取り合えず無視して良い。
コンパイルに成功すると、dviファイルができる。 「LaTeX」アイコンの右隣の「Dviファイルを表示」アイコン をクリックすると、Dviファイルを画面上でプレビューできる。
最終的に、PSに変換して印刷するので、このプレビューは無視する。
「LaTeX」アイコンの2つ右隣の「DviからPSに変換」アイコンを クリックすると、xxx.psファイルが生成される。
「LaTeX」アイコンの3つ右隣の「PSファイルを表示」アイコンを クリックすると、KGhostViewが起動し、 画面上で印刷イメージを確認することができる。
PSファイルのプレビュー画面(KGhostView)で 「ファイル」→「印刷(P)...」メニューをクリックする ことで印刷できる。
LaTeX統合環境 Kile のマニュアルは 以下を参照:
http://www.ex.media.osaka-cu.ac.jp/kile/kiletop.html
# $ % & _ { } ~ ^ \
%
以降行末までは、コメント(表示されない)
ソースファイルの先頭の\documentclass[a4j]{jarticle}
は、
ドキュメントスタイルの宣言。
[style option]
と{style file}
を指定。
jarticleは、節単位からなる短い報告書用。
\begin{document}
と\end{document}
は、文書の開始と終了の宣言。
Excelのグラフなどは、以下の手順で一度.pngまたは.gif 形式で 保存してからLinux 側へ移動させれば良い。
LATEXを用いて、2 ページ以上の文書を作り、印刷して提出せよ。 ただし、以下の条件に従うこと。
この文書はLaTeX2HTML 翻訳プログラム Version 99.2beta6 (1.42)
Copyright © 1993, 1994, 1995, 1996,
Nikos Drakos,
Computer Based Learning Unit, University of Leeds,
Copyright © 1997, 1998, 1999,
Ross Moore,
Mathematics Department, Macquarie University, Sydney.
を日本語化したもの( 99.2beta6 + JA patch 4.0 (1.42) 版)
Copyright © 1998, 1999, 2000 Kenshi Muto, Debian Project.
に、さらにWin32用パッチ(99.2beta6 + JA patch 4.0 + Win32 patch 1.32 (1.42) 版)
Copyright © 2000, ABE, Osamu, Hokkaido University of Education
を用いて生成されました。
コマンド行は以下の通りでした。:
latex2html -local_icons -split 3 memo-11.tex.
翻訳は masa-n によって 平成16年5月10日 に実行されました。