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4.4 特殊文字と特殊記号

4.4.1 引用符

引用符に, タイプライターにあるような"記号は 使用しないで下さい. 通常の出版物では,引用の開始と終了を表す 特別な記号があります. LATEXでは,開き引用符には二つの`を, 閉じ引用符には二つの'を使用します.


\begin{example}
\lq\lq Please press the \lq x' key.''
\end{example}

4.4.2 ダッシュとハイフン

LATEXは,四種類のダッシュを 使い分けることができます. 連続するダッシュの数によって, 三種類のダッシュを出力することができます. 四つ目の記号は実際にはダッシュではなく, 数式におけるマイナス記号です.


\begin{example}
daughter-in-law, X-rated\\
pages 13--67\\
yes---or no? \\
$0$, $1$\ and $-1$\end{example}

これらのダッシュの名前は, `-' ハイフン,`-' エンダッシュ, `--' エムダッシュ, `$-$' マイナス記号です.


4.4.3 チルダ($\sim $

ウェブのアドレスでよく使用される文字にチルダがあります. LATEXでチルダを出力するために\~コマンドを 使用すると,実はこのようになり(~)求める出力とは 異なっているのがわかります. 代わりに以下のようにするとよいでしょう.


\begin{example}
http://www.rich.edu/\~{}bush \\
http://www.clever.edu/$\sim$demo
\end{example}

4.4.4 省略記号(...)

タイプライターでは,コンマもピリオドも 他の文字と同じ幅を持っていますが, 印刷物においては他の文字よりも幅が狭く, また直前の文字との間隔も狭くなっています. つまり,省略記号のつもりでピリオドを三つ並べても その間隔が正しくないため, 正しい`省略記号'を 出力することはできません. そのめに,LATEXでは以下に示すような 省略記号のドットを出力する特別なコマンドがあります.


\begin{command}
\texttt{\symbol{'134}ldots}
\end{command}


\begin{example}
Not like this ... but like this:\\
New York, Tokyo, Budapest, \ldots
\end{example}

4.4.5 合字

次に示すように文字の並びによっては, 文字を順番に並べて出力するのではなく, 文字と文字を組み合わせた特別な記号を実際に使って 組版されることがあります.

ff fi fl ffi ...    ではなく     ff fi fl ffi...

いわゆるこれらの合字は, 該当する二つの文字の間に\mbox{}を 挿入することによって避けることができます. これは,二つの単語から成っている単語の場合に 必要となることがあります.


\begin{example}
Not shelfful\\
but shelf\mbox{}ful
\end{example}

4.4.6 アクセント記号と特殊文字

LATEXは,多くの言語における アクセント記号と 特殊文字をサポートしています. 表4.1は,全てのアクセント記号を 文字oに付けたものを示しています. 他の文字でも同様にアクセント記号が付けられます.

ただしiやjの上にアクセント記号を付ける場合には, 頭の部分にある点を取り除く必要があります. 点のないiやjを生成するには, それぞれ\i\jと入力します.


表 4.1: アクセント記号と特殊文字

\begin{lined}{10cm}
\begin{tabular}{*4{cl}}
\A{\\lq o} & \A{\'o} & \A{\^o} & \A{\...
...ut}
\index{アクセント!grave}
\index{アクセント!acute}
\par\bigskip \end{lined}



\begin{example}
H\^otel, na\uml \i ve, \'el\\lq eve,\\
sm\o rrebr\o d, !\lq Se\~norita!,\\
Sch\uml onbrunner Schlo\ss{}
Stra\ss e
\end{example}


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Hiroyuki Ohsaki (oosaki@ics.es.osaka-u.ac.jp)