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2. まえがき

LATEX[1]は,組版の品質が高く, 科学・数学分野の文書を作成するのに非常に適した組版システムです. またこれ以外にもLATEXには, 手紙から一冊の本までというあらゆる文書を作成するのにも 適しています. LATEXは,組版エンジン(組版機構)として, TEX[2]を使用しています.

この冊子ではLATEX2eについて説明し, たいていの文書をLATEXを使用して作成することが できるようになっています. LATEXについての詳細な記述については, 参考文献[1,3]を参照して下さい.

LATEXは,PC,MacintoshからUNIX,VMSシステムといった 規模までのほとんどのコンピュータ上で使うことができます. 多くの大学のコンピュータネットワーク上にもLATEXが インストール可能であり,すぐに利用することができます. 使用しているコンピュータ上でのLATEXの使い方に関しては, ローカルガイド [4]を参照して下さい. LATEXを始めるにあたり問題が生じたら, この冊子を紹介してくれた人に尋ねてみて下さい. この冊子には,LATEXのインストールや セットアップの方法については書かれていません. LATEXを使用して,文書を作成する方法が書かれているのです.

この冊子は,5つの章から構成されています.

第1章
では,LATEX2eで作成する文書の 基本的構造について説明しています. また,LATEXの生い立ちについても 簡単に触れています. この章を読めば,LATEXの概略がわかるでしょう. ここで述べることはLATEXの概略でしか ありませんが,他の章の内容を理解したり, LATEXの全体を知るのに役立つでしょう.

第2章
では,文書を組版するための 基本的なLATEXのコマンドと環境について 説明しています. この章を読めば,LATEXを使った初めての文書を 書くことができるようになるでしょう.

第3章
では,LATEXの強力な武器の一つである 数式を組版する方法について, ここでも多くの例を示して説明しています. この章の最後に,LATEXにおいて使用できる 数式記号のすべてを表にしています.

第4章
では,索引や参考文献の作成方法, EPS(Encapsulated Postscript)ファイルによる 図の取り込み方,その他役に立つ事柄について 説明しています.

第5章
では,LATEXによる標準的な文書レイアウトを 変更するちょっと危なっかしい内容について 説明しています. ここを読めば,美しいとされるLATEXによる出力を あきれかえるほどひどいレイアウトに変更する方法が わかります.


この冊子はそんなに膨大なものではないので, 最初の章から順に読んで下さい. LATEXで文書を作成するための多くの情報が, この冊子の中の様々な例題に含まれていますので, 例題は注意深く読んでください.


LATEXに関して必要なものがあれば, Comprehensive TEX Archive Network(CTAN) ftpサイトを覗いて下さい. アメリカではftp://ctan.tug.org/, ドイツではftp://ftp.dante.de/, イギリスではftp://ftp.tex.ac.uk/というサイトと なっています. これらの国以外に住んでいるのであれば, ネットワーク的に近いところのCTANミラーサイトを選んで 利用して下さい2.1

自分が使用しているコンピュータで 新たにLATEXを使用したければ, 必要なものをCTAN:/tex-archive/systemsで調べて インストールして下さい.


この冊子に対して追加,削除,変更すべき事項などがあれば, お知らせ下さい. 特にこの冊子のわかりやすい箇所, もっとうまく説明すべき箇所などについて LATEX初心者からの連絡をお願いいたします.


Tobias Oetiker    <oetiker@ee.ethz.ch>
    


Department of Electrical Engineering,
Swiss Federal Institute of Technology
スイス連邦工科大学 電気工学科


NOMURA Masataka    <nomura@cc.kshosen.ac.jp>
    


Department of Marine Engineering,
Kobe University of Mercantile Marine
神戸商船大学 商船学部


この冊子の最新バージョンは, CTAN:/tex-archive/info/lshort/から 入手できます2.2


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Hiroyuki Ohsaki (oosaki@ics.es.osaka-u.ac.jp)