以下の見出し用のコマンドは,articleクラスで 使用できるものです.
\section{...}
\paragraph{...}
\subsection{...}
\subparagraph{...}
\subsubsection{...}
\appendix
reportとbookクラスでは, 次の二つのコマンドも使用することができます4.8.
\part{...}
\chapter{...}
articleクラスは章(chapter)に関する 定義がないので,それらの文書を章として加えることで 本にまとめることが非常に簡単になっています. 見出しの上下のスペース,番号付け, 見出しの文字の大きさなどは, LATEXが自動で設定,出力します.
これらのコマンドのうち, 次の二つは多少特殊なコマンドとなっています.
LATEXは,最後に行った文書のタイプセットの結果から, 見出しとそのページ番号を取りだし,目次を作成します.
目次は,この
コマンドが書かれた場所に作成,出力されます.
新しく作成された文書の場合,
正しい目次を得るために
二度タイプセット(``LATEX処理'')を行わなければなりません.
文書を三度処理しなければならないこともありますが,
処理が必要なときにはLATEXが教えてくれます.
上で示されたすべての見出しコマンドには,
``アスタリスク付き''コマンドが存在します.
``アスタリスク付き''コマンドは,コマンド名の後に
アスタリスク*
を付けるだけで,目次にも現れず,
番号付けもせずに見出しのみを出力します.
例えば,\section{Help}
コマンドは \section*{Help}
コマンドとした方が適切でしょう.
通常,各見出しは文書中でコマンドの引数に入力された通りに 目次に出力されます. しかし,時には見出しがあまりにも長くて, 目次にうまく収まらないなど対処に困ることもあります. そこで,実際に出力する見出しの引数の前に, 目次にのみ出力される文字列をオプション引数として 指定することができるようになっています.
\chapter[Read it! It's Exciting]{This is a very long
and especially boring title}
文書全体の表題は, 次のコマンドを使用して出力することができます.
表題の中身は,\maketitle
コマンドを使用する前に,
以下のコマンドを用いて定義します.
\authorコマンドの引数には,\andコマンドで
区切って複数の著者名を並べることができます.
上に示したコマンドの例を, ページの図3.3に示します.
LATEX2eでは上述の見出しコマンドとは別に,
book
クラスにおいてさらに次に示す三つのコマンドが
使用できます.
これらは,本の内容を分けるのに利用できます.
これらのコマンドは,実際の本で見られるような章見出し,
ページ番号となるように出力形式を変更します4.10.