ヘッダやフッタを設定するときの問題点は,
ヘッダ等に書くための節や章の見出しの設定方法です.
LATEXは,これを二段階の方法で実現しています.
まず,ヘッダやフッタの定義段階では,
現在の章と節の見出しをそれぞれ \rightmarkコマンド
と \leftmarkコマンドを用いて表します.
この二つのコマンドの値は,\chapter
コマンド
や\section
コマンドが処理される際に,
常に書き換えられます.
柔軟にヘッダやフッタを設定できるように,
\chapter
コマンド
などでは \rightmarkコマンドや \leftmarkコマンドを
直接書き換えることはできないようになっています.
\rightmarkコマンドや \leftmarkコマンドを
書き換えるには,\chaptermark,
[1]\sectionmark,\subsectionmarkといった
別のコマンドが\chapter
コマンドなどから
呼び出されるのです.
そのため,ヘッダに書かれる章見出しの出力様式を 変更したい場合には,\chaptermarkコマンドを 再定義するだけでよいのです.
図6.1は,fancyhdrパッケージを使用して, この冊子と同じヘッダを作成する例を示しています. とにかく,脚注で示したところからパッケージ一式を入手し, その説明書を読んでみて下さい.