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6.4 凝ったヘッダ

Piet van Oostrumによるfancyhdrパッケージ6.8を使用すると,いくつかの簡単なコマンドで, 文書のヘッダやフッタを自由に設定することができます. このページ上部を見れば,このパッケージでできることが わかると思います.

図 6.1: fancyhdrパッケージの使用例
\begin{figure}\begin{lined}{\textwidth}
\begin{verbatim}\documentclass{book}...
...headrulewidth}{0pt} % 罫線をなしにする
}\end{verbatim} \end{lined} \end{figure}

ヘッダやフッタを設定するときの問題点は, ヘッダ等に書くための節や章の見出しの設定方法です. LATEXは,これを二段階の方法で実現しています. まず,ヘッダやフッタの定義段階では, 現在の章と節の見出しをそれぞれ \rightmarkコマンド と \leftmarkコマンドを用いて表します. この二つのコマンドの値は,\chapterコマンド や\sectionコマンドが処理される際に, 常に書き換えられます.

柔軟にヘッダやフッタを設定できるように, \chapterコマンド などでは \rightmarkコマンドや \leftmarkコマンドを 直接書き換えることはできないようになっています. \rightmarkコマンドや \leftmarkコマンドを 書き換えるには,\chaptermark
[1]\sectionmark\subsectionmarkといった 別のコマンドが\chapterコマンドなどから 呼び出されるのです.

そのため,ヘッダに書かれる章見出しの出力様式を 変更したい場合には,\chaptermarkコマンドを 再定義するだけでよいのです.

6.1は,fancyhdrパッケージを使用して, この冊子と同じヘッダを作成する例を示しています. とにかく,脚注で示したところからパッケージ一式を入手し, その説明書を読んでみて下さい.


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Hiroyuki Ohsaki (oosaki@ics.es.osaka-u.ac.jp)