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: 3.4 入力ファイルの構造 : 3. はじめの一歩 : 3.2 基本的事項


3.3 LATEXの入力ファイル

LATEXの入力ファイルは, ASCII形式のプレインテキストファイルです. ですから,入力ファイルの作成には どんなテキストエディタを使用してもかまいません. 入力ファイルには, 文書の内容に加えてさらにテキストを どのように組版するかをLATEXに伝えるコマンドも含んでいます.

3.3.1 スペース

LATEXでは,スペースやタブといった``ホワイトスペース''は, どちらも同じように``スペース''として扱われます. ホワイトスペースは,二つ以上が連続していても 一つの ``スペース''として扱われます. 入力ファイルにおける行頭のホワイトスペースは 通常無視されます. また,行末の改行は``スペース''と同様に処理されます.

入力ファイル中の空行は, 段落の区切りを表します. 空行は,いくつ連続していても 一つの空行と見なして処理が行われます. 以下に示す例題を見て下さい. 左側に示されているのが入力ファイルのテキスト, 右側がLATEXによって組版された出力結果です.


\begin{example}
It does not matter whether you
enter one or several spaces
after a word.
\par An empty line starts a new
paragraph.
\end{example}

3.3.2 特殊文字

LATEXでは,以下に示す記号は特別な意味を持ち, あらゆるフォントで直接打ち出すことのできない 特殊文字となっています.

$ & % # _ { } ~ ^ \ 3.3

次の例を見てわかるように,これらの記号を 文書中に出力するには記号の前に バックスラッシュ(\)を付けなければなりません.


\begin{example}
\$ \& \% \char93  \_ \{ \}
\end{example}

また数学記号やアクセント記号など,その他の記号も数多く 出力することができます. バックスラッシュ$\backslash$記号自身は, バックスラッシュを記号の前に付けても出力されません. この記号(\\)は,改行を行うコマンドとして 使用されているからです3.4

3.3.3 LATEXコマンド

LATEXコマンドは,大文字小文字の区別があり, 次に示す二つの形式を採ります.

LATEXは,コマンドのあとのホワイトスペース は無視するので, このスペースを出力したい場合には, コマンド名の後に{}とスペース, もしくはスペースコマンド(\ )を置く必要があります. {}は,LATEXがコマンド名のあとの 全てのスペースを無視するのを防ぎます.


\begin{example}
I read that Knuth divides the
people working with \TeX {} into
\TeX {}nicians and \TeX perts.\\
Today is \today.
\end{example}

コマンド名の後に, ブレース(中括弧: { })に括られた引数が必要なコマンドもあります. コマンド名に続いて ブラケット(角括弧: [ ])内に書かれる オプション引数をもつコマンド もあります.


\begin{example}
You can \textsl{lean} on me!
\end{example}


\begin{example}
Please, start a new line
right here!\newline
Thank you!
\end{example}


3.3.4 コメント

入力ファイル中に%があると, LATEXはそこから行末までの文字, 改行文字そして次の行頭のすべてのホワイトスペースを無視します.

これは,組版された最終出力には現れないコメントを入力ファイ ル中に書くために使われます.


\begin{example}
This is an %% stupid
example: Supercalifragilisticexpialidocious
\end{example}

%は,ホワイトスペースや 改行が許されない長い入力行を分割するためにも使われます.

長いコメントを書きたいときには, verbatimパッケージを読み込むことによって comment環境を使用することができます.


\begin{example}
This is another
example for embedding comments in your document.
\end{example}


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Hiroyuki Ohsaki (oosaki@ics.es.osaka-u.ac.jp)