LATEX2eでは,\documentclass
コマンドのオプションで
出力する用紙サイズを設定でき,適切なマージンなどが
自動で設定されますが,その値に満足できないこともあります.
そんな場合,マージンなどの値を変更することができます.
図7.2に,変更することのできるパラメータを
示します.
この図は,`tools'7.3中のlayoutパッケージを用いて作られたものです.
ちょっと待った!... 「ページの幅を少し広くしよう」と思い込む前に, もう少し考えてみましょう. LATEXではほとんどのことがそうであるように, ページレイアウトにもそのように定義されている理由があるのです.
確かに,市販のMS Wordのページレイアウトと比較すると 一行の幅はかなり狭くなっています. しかし,お気に入りの本7.4を 手にとって,一行の文字数を数えてみて下さい. 一行に,66文字以上はないでしょう. そこで,LATEXの出力結果でも同じように文字数を 数えて下さい. 一行に66文字くらいであることがわかります. 経験的に,一行にたくさんの文字を詰め込むととたんに 読みづらくなることがわかっています. これは,ある行の終わりから次の行の最初まで 目を移動するのが難しいためです. また,新聞が複数の列7.5から 構成されているのも同じ理由です.
そこで,もし作成している文書の幅を広げるならば, その文書を読む人に無理をさせることを覚えておいて下さい. ただ,十分に注意を払うのならばその方法を教えましょう...
LATEXには,これらパラメータの長さを変更するために 二つのコマンドが存在し,通常文書のプリアンブルで使用します.
一つ目は,パラメータに決まった値を直接設定するコマンドです.
二つ目は,パラメータに設定し長さを増減させるコマンドです.
このコマンドは,現在の値を基準に設定することができるので, \setlengthコマンドよりも使いやすいでしょう. 一行の幅を1cm広くするには,以下のコマンドを 文書のプリアンブルに書いて下さい.
\addtolength{\hoffset}{-0.5cm}
\addtolength{\textwidth}{1cm}
この場合,calcパッケージを使用すると, \setlengthコマンドなどの引数中,もしくは 数値を書き込むことのできる場所に加減乗除などの算術式が 使用できるようになります.