特別な場合には,LATEXに対して 改行を明示する必要があります.
このコマンドは改行を行いますが,
新しい段落のレイアウト4.2は
行いません4.3.
このコマンドは,
改行位置での改ページを禁止した改行を行います.
このコマンドは,新しいページを開始します.
これらのコマンドは,コマンド名が示すとおりの動作を行い,
オプション引数nに0から4までの整数値を取ることによって
動作を変えることができます.
出力結果の見栄えがかなり悪いときには,
オプション引数nに4より小さな値を指定することによって,
これらのコマンド本来の働きを抑えるオプションをLATEXに
知らせることができます.
これらの``break''コマンドと``new''コマンドとを
混同しないようにして下さい.
``break''コマンドを指定すると,
次の節で説明するようにLATEXはページの右端や下端を
揃えようとして余分なスペースを挿入します.
``新しい行(new line)''を始める必要があれば,
それに対応したコマンドを使って下さい.
コマンド名はわかりますよね!.
LATEXは,最適な改行位置を見つけだそうとしますが, 標準的な方法でうまくいかない場合には, その行を段落の右端に突き出して組版を行います. そんな時LATEXは,``overfull hbox''と警告してきます. これは,LATEXが単語の適切なハイフンの位置を 探せないときによく生じます4.4. \sloppyコマンドを使用すると, 改行の基準を多少緩めることができます. \sloppyコマンドは, 最終的な出力が最適で見栄えのよいものではなくなっても, 単語間のスペースを増やすことによって行末が長く右マージンに はみ出るのを防ぎます. この場合には,``underfull hbox''という警告が出ますが, たいてい満足のいかない出力結果しか得られません. \fussyコマンドを使用することで, LATEX本来の挙動に戻すことができます.
このコマンドは,引数として並べられた単語のうち
``-
''が付けられた位置のみで
ハイフンネーションを行うことを指定します.
したがって引数は,通常の文字からなる単語,
もしくは現在使用中の言語で通常の文字とみなされる記号しか
含んではいけません.
ハイフネーションの指示は,
\hyphenationコマンドが現れたときに
使用している言語に対して使用されます.
これは,文書のプリアンブルでこのコマンドを使用した場合,
英語のハイフンネーションに影響すると言うことです.
これに対して,\begin{document}
コマンドの後や
babelのような多国語言語をサポートしたパッケージを
使用している場合,ハイフンネーションの指示は,
babelパッケージで指定されている言語に対して
有効になります.
以下の例では,\hyphenationコマンドの 引数に書かれた``Hyphenation''と同じように, 小文字のみからなる``hyphenation''もハイフネーションされます. また,``FORTRAN'',``Fortran'',``fortran''は ハイフネーションされません. 特殊文字,特殊記号は,引数に使用できません.
例:
\hyphenation{FORTRAN Hy-phen-a-tion}
\-コマンドを使用すると, 単語の任意の位置にハイフンを付けることができますが, このコマンドに指定した位置のみでしか ハイフネーションできなくなります. LATEXは,アクセント記号などの特殊文字を含んだ単語の ハイフネーションを自動で行うことはできませんので, このコマンドは特殊文字を使用している単語の場合に 特に利用されます.
単語の途中でハイフネーションを行って 改行しないようにするには,次のコマンドを使用します.
このコマンドは,どんな状況でも単語の途中で改行しません.