講義資料バックナンバー
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今日の授業では、組版 (くみはん) システムである LaTeX を紹介します。前回までに学んだ、HTML と結構似ている部分があります。つまり,普通のワープロのように見た目どおりを編集するのではなく,決まった形の命令(HTMLではタグ)を使って,構造を指定ながら文書を作成するのです.HTML とは異なり、LaTeX では最終的に印刷するための文書を作成します。LaTeX を使えば、びっくりするほど美しい文書を作ることができます。みなさんがレポートや卒業論文を作成するときにも,大いに役立つことでしょう.今回の講義資料は,第2教室の大崎先生の教材(7月9日分)からの抜粋です.
LaTeX は、組版の品質が高く、科学・数学分野の文書を作成するのに非常に適した組版システムです。またこれ以外にも LaTeX には、手紙から一冊の本までというあらゆる文書を作成するのにも適しています。LaTeX は、組版エンジン(組版機構)として、TeX を使用しています…… (「LaTeX2e への道」より)。
LaTeX は非常に歴史が古く、さまざまな解説書がインターネット上で公開されています。その中でも、T. Oetiker (M. Nomura 訳) 「A (Not So) Short Introduction to LaTeX2e (邦題: LaTeX2e への道)」が非常に良くまとまっているので、この文書をもとに説明します。
LaTeX がどういうものかについては、「3.1 はじめに」および「3.2 基本的事項」を参照してください。
ホームページを作成するときには,HTMLファイル(.html)をテキストエディタで書きました.HTMLファイルは,Netscapeなどのブラウザによって命令が解釈され,ホームページとして閲覧できました.
LaTeXもよく似ています.LaTeXでは,はじめにTeXファイル(.tex)をテキストエディタで書きます.次に,このTeXファイルをLaTeXというソフトウェアを使ってコンパイルします.このコンパイルという作業で,TeXファイルにある命令が解釈されて,組版された文書DVIファイル(.dvi)が出来上がります.それをプレビューアで確認し,印刷します.
ワープロでは,文書編集に専用のソフトが必要でしたが,TeXでは普通のテキストファイルで編集できます.また,目次管理や,分割編集なども簡単にできるので,大規模な文書作成にも適しています.ただし,HTMLのタグの時と同様,使いこなすには多くのTeXコマンドを知らなければいけません.
それでは実際に LaTeX を使って文書を作成してみましょう。サイバーメディアセンターの教育用計算機システムでは、LaTeX Launcher という便利なプログラムがあるため、とても簡単に LaTeX を使うことができます。
LaTeX のサンプルファイルとして、sample1.tex を用意しました。このファイルを、 sample1.tex という名前で適当なディレクトリに保存してください。
TeXファイルの編集には,gEditを使ってファイルを開くか,または,LaTeX Launcherから「ソースの編集」ボタンを押してください.
LaTeX では、まず、ソースファイル (拡張子が .tex) から DVI ファイル (拡張子が.ps) を作成します。その後、DVI ファイルを画面で確認、もしくは DVI ファイルを紙に印刷します。
実際の手順は以下のようになります。
- ファイルマネージャの起動 (左上の「ホームディレクトリ」というア イコンをダブルクリック)
- LaTeX Launcher を起動 (ファイルマネージャから、sample1.tex をダ ブルクリック)
- LaTeX によるコンパイル (「LaTeX を実行する」をクリック)
- 作成された文書の表示 (「出力の表示 (.dvi File)」をクリック)
より詳しい使い方については、LaTeX Launcher のヘルプを参照してください。
LaTeXならではの優れた機能について紹介しておきます.
- 箇条書き ・・・ 何通りかの種類があります.
- 数式 ・・・ 美しい数式を出力できます.LaTeXを使う最大の魅力と言う人もいます.
- 表 ・・・ 表を書きます.
- 相互参照 ・・・ 章番号や,式の番号をラベル付けし,別のところから参照します.
- 図 ・・・ TeXコマンドで描けますが,一般にはEPS(または,EPSI)形式のファイルを差し込みます.GIFやJPEGではないので注意.簡単なやり方は以下のとおり.
- ApplixGraphicsで図を書く.
- 「ファイル」→「外部保存」でファイルタイプ「EPSI」を選択し,適当な名前(例:my_figure.eps)で外部保存する.
- TeXファイルに以下のように書く.\includegraphicsのscaleは縮尺を表す.
\begin{figure} \begin{center} \includegraphics[scale=0.5]{my_figure.eps} \caption{私の絵} \end{center} \end{figure}
インターネット上には、LaTeX に関するさまざまな情報が公開されています。もっと LaTeX を使ってみたい、自分のコンピュータでも LaTeX を使いたい、という人のために、いくつかポインタを紹介しておきます。
この他に、LaTeX に関する文書をいくつか PDF ファイルとして用意しておきました。すべて英語ですが、興味のある人はぜひ眺めてみてください (PDF ファイルを読むには、いったん保存して、ファイルマネージャからダブルクリックします)。
プレゼンテーションの第3回目です。
課題:情報倫理[詳細]
Topic 1: グループ5-11 プレゼンテーションHTML版を見る
Topic 2: グループ5-9 プレゼンテーションHTML版を見る
Topic 3: グループ5-12 プレゼンテーションHTML版を見る
Topic 4: グループ5-10 プレゼンテーションHTML版を見る
聴講者は各プレゼンに対しアンケートを書いてください.また、簡単な感想、わからなかったところ等をメモしておくこと。宿題に関係する。
4つのグループについて数行ずつで良い。以下の宛先にメールすること(中村宛てではない!!)。
情報活用基礎第5教室メーリングリスト: katsuyou-hus5@ecs.cmc.osaka-u.ac.jp
リンク:
- 課題:
- 自分がパソコンやインターネットをどのように生活に役立てているのか?あるいは,役立つと思うか?その利点や弊害なども考慮しながら,A4に1〜2枚程度にまとめなさい.ただし,
- LaTeXを用いて作成し,プリントアウトしてセンター1回のレポート提出ボックスに投函せよ.
- 適当なタイトル,名前,ログイン名を忘れないように.
- 章立てを工夫し,レポートとして体裁を考えながら作成すること.
締め切りは9月8日(土)18:00まで.期限厳守のこと.
Copyright to Masahide Nakamura, Cybermedia Center, Osaka University
masa-n@cmc.osaka-u.ac.jp
http://webserver/~masa-n/
(Last Updated on )